さて、あなたは自重トレーニングといえば何を思い浮かべますか?腕立て伏せですか?腹筋ですか?それともスクワットですか?僕は部活でこの辺のトレーニングをよくやらされたので本当に記憶にしっかりと残っています。
しかし、今回はそういったトレーニング難易度の低い自重トレーニングではありません。もう少しトレーニング難易度は高いです。例えば、自重トレーニングの中でも強度が高いといえばやっぱり懸垂でしょう。
懸垂にも種類がたくさんありますが今回はその中でもかなりキツイと思われる、マッスルアップというトレーニングです。当然ですが、昨日、今日、トレーニングを始めた人ができるトレーニング種目ではありません。
ただし、この種目は普通の懸垂とは違い、プッシュアップの動作も含まれているためやり方次第では大胸筋さえも鍛えることができるのです。プルの動作とプッシュの動作が含まれた特徴のあるトレーニングです。
そこで、今回はマッスルアップのトレーニングのやり方とどういった箇所の筋肉を鍛えるのか?そして、マッスルアップができない人がどうしたらできるようになるのか?その辺まで解説していきたいと思います。
マッスルアップと蹴上がりは違う
マッスルアップは筋力が強いからといってできるわけでもありません。ボディビルダーが挑戦してもできなかったという事例もあります。ですから、どちらかといえば筋力よりもやり方のコツが十四になるのかなと思います。
しかし、だからといって筋肉を使用しないということはありません。マッスルアップというトレーニングは懸垂のトップポジションからディップスを行って体を持ち上げる運動になります。そのため、上腕三頭筋が弱かったら実践は不可能です。
よく、マッスルアップの動画を見ていると、蹴上がりをマッスルアップとして解説しているものがありますが、蹴上がりとマッスルアップは異なるものです。蹴上がりもマッスルアップのように体をバーの上に持ち上げるのですが手が伸びきったままです。
伸びきったまま遠心力の勢いを使って上体を上に持ってくるだけです。けれども、マッスルアップの場合は持ち上げるときに肘は曲がっており、そのまま鉄棒の上でディップスを行うのです。ちょっとした違いなのですが、筋トレ効果は大きく変わってきます。
マッスルアップのやり方について
正直なところを申し上げますと、マッスルアップは難しいです。筋力があるからといってできるものでもありません。そのため、ある程度練習を重ねてフォームをマスターする必要があります。やり方としては、バーを握ってぶら下がります。
そこから軽く反動をつけるのですが、はじめのうちは反動は大きくてもかまいません。鉄棒のバーの下には壁があるイメージで、反動を使ってそこにぶつけます。そして、順手で引き上げて若干前傾する体勢になります。
懸垂のように顎がバーの上に来たら終わりということではなくそれ以上に体を持ち上げる必要があるのです。体を持ち上げるときに手首の返しだったり、僧帽筋の力だったり、この辺が結構重視されるのではないかなと思います。
ここからディップスで体を持ち上げます。言葉で説明するとかなり難しいのですが、こればかりは繰り返しやってコツをつかむしかないので、まずはやって覚えていくということが重要になるかと思います。
もし、マッスルアップをいくらやってもできないのであれば、はじめのうちは地面に足がつくぐらいの低い鉄棒から体を引き付けてディップスの動作に持ってくるところから練習すると良いです。そうするとなんとなくどういう感じでやればよいのか?というコツがつかめるようになります。
マッスルアップができるようになるためのトレーニング
マッスルアップは筋力が弱いがためにできないというパターンと、筋力は十分に足りているんだけれどもコツがつかめずにできないパターンの二通りが考えられます。後者の場合は練習をすればなんとかなるのですが、前者の場合はまずは筋トレをすして、最低限マッスルイアップに必要な筋肉を養わなくてはいけません。そこで、マッスルアップに必要な筋トレってどんなものなのか?少し考えてみました。
1.最低でも懸垂の順手ができること
マッスルアップのスタートポジションは懸垂の順手と同じです。そこから順手と同様に体を引き付けて斜めの振り子から持ち上げる必要があります。言ってしまえば懸垂の順手よりも体を上に挙げる必要があるわけです。
そのため、第一ステップとして懸垂ができなかったらマッスルアップはできるわけがないのです。ですので、もし、懸垂ができないならば最低でも懸垂ができるようになりましょう。懸垂ができるようになるには僕がお勧めするのはラットプルダウンですかね。
懸垂をやっても体が持ち上がらない状態から懸垂を頑張ってもいつまでたっても成長はしないので、ラットプルダウンのようにウエイトを更新して筋肉力を強化できるようなトレーニングを行えば懸垂の回数も早く伸びるはずです。
2.ディップスができること
マッスルアップのフィニッシュとなる部分ですが、そもそも、通常の平行棒でディップスがしっかりとできないようであればマッスルバーのフィニッシュはできません。ある程度筋トレをしているならば全くできないということはありませんが、ディップスで上腕三頭筋を鍛えることをおすすめします。
また、上腕三頭筋を効果的に鍛えたいのであれば、ライイングトライセプスエクステンションというバーベルを使ったトレーニングもおすすめです。集中的に上腕三頭筋への負荷が期待できるので伸び悩んでいるならこれをやってみると良いです。
次の段階として、鉄棒に体を乗せた状態からのディップスです。マッスルアップができないのに、その状態を維持するのも結構難しい話だと思いますので、はじめのうちは踏み台などを使って感覚をつかむ練習をしてみると良いです。
そして、慣れてきたら、踏み台を外して行います。何回もできなくても良いのですが、鉄棒の上に体を乗せる。このポジションを作ったら1回、2回でも良いのでできるようになりましょう。そうすれば、体を鉄棒の上に持ってこれればマッスルアップができるはずですから。
3.徹底的にマッスルアップの練習をする
上記の二つのステップがしっかりとできるのであれば、フォームさえマスターしていればマッスルアップは実践可能なはずです。先ほどもお話ししたようにフォームでできるかできないかが変わってきます。
こればかりは、練習によってコツを見つけるしかないとは思うのですが、個人的に思うのが軽く反動をつけたときの斜めの軌道ではないかと思います。真下から体を引き上げるよりかは、斜めの状態から体を引き上げながら体を持ち上げたほうが楽だと思うのです。
まあ、この辺はその人の伸長だったり、体格によってもどうしても多少はやりやすさというものは変わってきますから、やっぱりいろいろな練習をしてみて自分の一番やりやすいポイントを見つけるのが重要かと思います。
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マッスルアップを行うメリットとは?
それでは、話は最後になりますが、マッスルアップというトレーニングを行うことにより得られるメリットについてお話ししたいと思います。確かに別にこのトレーニングができなかったとしてもかっこいい体は作れますができると結構メリットはあります。
1.上半身の筋力強化に有効な種目
下半身はあんまり影響していない種目のように思われますが、上半身はかなり鍛えられるのではないかと思います。まず、鉄棒にぶら下がっている時点で握力を使っているのでこの時点で前腕筋群が強化されています。
そして、体を持ち上げるときに、三角筋後部、僧帽筋、広背筋、これらの筋肉が作用します。フィニッシュで体を鉄棒の上に持ってきたらそこからはディップスになりますから、上腕三頭筋と大胸筋を鍛えることができるわけです。
これだけでも、すでに5か所の筋肉を鍛えることができると思われます。確かに、ウエイトトレーニングだと一部だけを思いっきり負荷をかけますから、バランスを維持して筋力を鍛えるとなればこういった自重トレーニングのほうが良かったりするのですね。
2.出来たらすごい
マッスルアップはできたらすごいと思われます。なぜなら、これができない人が多いからです。コツさえつかめばできるのでしょうがそれを掴むまでに結構な練習が必要かもしれません。人によってはベンチプレス100kg挙上するよりも難しい話かもしれません。公園でマッスルアップでもやってみてください。周りにいる人の反応が「おおおっ!すげーな」となること間違いないです。